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思い出深いのに覚えていない友人

彼女と付き合っていたら……、彼と仲良くしていたら……、等々、人付き合いの多くはタイミングがもたらすものとはいえ、ちょっと悔やんでしまうこともなくはない。

あまり悔いることが多くはない僕だが、“あいつとはもっと話をしたかったなあ”とシミジミ思い出す同級生がいる。

大学二回生の時、滅多に行かない大学に、興味のあった教授の授業を受けるために行った時、彼はすっと隣に座ってきた。何度か話したことはあるが、そう親しい間柄でもなかったので、軽く挨拶をした。講義は心理学だったと思う。お互い仏文なので、“フランス語に関係のある講義では会わないなあ”とか“語学や文学ってわざわざ大学で学ぶもんと違うなあ”などと、こそこそ話した。

すると、しばらくの沈黙の後、「お前って、実存主義者かと思ってけど違うんだなあ。俺の言い方で言うと、遊牧民的って感じだなあ」と言った。「へ~~。でも、それは言えるかもしれないなあ」と応じた。なかなかよく見てくれているんだ、と思った。

すると、またしばらく経ってから、「お前って繊細だけど神経質じゃないんだよなあ」と言った。うれしかった。誉め言葉だと思った。「ありがとう」と応えた。そして、「俺、仏文科から心理学科に移るつもりなんだ」と言ったので、「いいんじゃないかなあ」と答えた。

それまでの数回の会話での印象と彼の決断は適合している感じがした。きっといい心理学者になるんだろうなあ、と思った。

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それきりである。名前も覚えていない。もっと付き合っておけばよかった、と今でも時々、シミジミと思い出す。僕がきっと、人間として練れていなかったからだろう。残念だ。

 

            Kakky

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