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役割が人を創る!?

中学生の時、ほんの少しだけ不良の匂いがする同級生がいた。それほど乱暴な男だとは思わなかったが、一部の同級生たちは微妙に彼を避けていた。さして大きな問題にはなっていなかったが、平和でのどかなクラスに、少しだけ不快な空気が流れ込み始めているのが気になった。誰も気づかないふりをしているのが嫌だった。

クラス会でクラス委員を決める時、僕はその“ちょっと不良少年”を風紀委員に提案した。彼のことに関しては話題にすることも意見を述べることもしない同級生たちの反対はなかった。彼は風紀委員に決まった。

「やりたくない。なんで俺なんだ」と、彼は僕に抗議してきた。「みんな、お前の言う事なら聞くから、向いてる」と僕が言うと、彼は複雑な表情を浮かべながら、「風紀委員なんて、何すればいいんだよ」と口を尖らせた。「みんなの服装チェックしてくれないか」と僕は言った。開けてあった第一ボタンと詰襟のフックを止めながら、「わかった」と彼は言った。

翌朝から、校門を抜けると、登校してくる男子生徒の服装をチェックする彼の険しい目に出会うようになった。「おはよう!」。彼の挨拶の声は大きく少し威嚇的ではあったが、朝の登校時の風景をピリッとさせる力があった。

ちょっと気合が入り過ぎじゃない?と思うくらい早い時間に登校し続けていた彼の風紀委員生活は1週間ほどで終わったが、彼は満足げだった。そして、不良の匂いも消えていた。ただ残念ながら、同級生の彼に対する態度に大きな変化はなく、彼の学生服のボタンと詰襟のフックがまた外されるようになるのに、そう多くの時間を要することもなかった。

良きにつけ悪しきにつけ、役割は人を変える。人を創ることさえある。ただ、それぞれが自分の役割に対する深い理解と責任を持ち、お互いの役割に対する強い理解と敬意を持っていないと、役割も人も歪んだものになる。彼は元に戻ることができてよかったのかもしれない。

スタンフォード大学“監獄実験”のおぞましい経過と結果は、人と役割との関係を随分と考えさせてくれる。 *“スタンフォード大学監獄実験”で検索してみてくださいね。

_20170609

昨日の“ナナじいちゃん弁当”。僕たちは、ナナじいちゃんに対する自分たちの役割を過度に意識しないよう心掛けている‥‥。

                Kakky(柿本)

“1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―”は、NO.28をもって終了しました

*”昭和少年漂流記第三章”を、書き始めています。が!書き直しの連続で進んでいません。6月上旬頃連載開始予定ですが……。

「告知」:番外編として、タイトル「風に揺れる蛹」の連載を開始しています。上記リンク“1969年。僕たち………”からどうぞ…

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