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垣間見た中国人(とのビジネス?)の実態 ①

15年くらい前のこと。長い友人の1級建築士から、突然「仕事、付き合ってくれない?」と電話があった。上海市図書館のワンフロア―を日本料理店にしたい、という依頼があったという。友人は信頼できる男だったが、その仕事の第一印象は、ん?怪しいな?だった。中国人とのビジネスに関しては、僕のみならず友人たちにも、過去に数々の嫌な思い出があったからだ。

 

その1.バリ島DFS(免税店)事件

25年ほど前、とある知り合いからバリ島にDFSを作る話があるので、プランを立ててほしい。場所は決まっていて、地図や土地の図面もある。どんな店にするか、どんなMDが望ましいか等々を提案してほしい。施工は現地業者だが、企画力が期待できないのでお願いしたい。期間は2ケ月。企画費はお支払いする。との相談があった。発注元は、世界三大華僑の一つだと言う。その人、やや怪しげなところもある人だったが、それまで仕事で迷惑を受けたこともない。仕事のスケジュールは詰まっていたが、話はバリ島がらみ。何やら楽しげではないかと承諾した。ショップコンセプトとMD計画、店舗の図面と外観イラスト等々、全部で30枚程度のボードで提出すること。必要であれば、説明に伺うこと。等を条件として出した。

それでいきましょう。ギャラはすぐには決められないが、早急に連絡する。と別れ、翌日には「僕の印象では500万までは出せるみたいだから、それでよければすぐにゴーしてください」と電話があった。印象?とは思ったが、2ケ月しかない。他の仕事もある。よし!始めよう!と決めた。

友人の建築士(前述とは別人)とデザイナーと僕、お互いを理解できている3人のチーム。仕事は早かった。予定より半月以上早くボード完成。依頼主の担当者にコピーを送ってもらった。

反応は「いいと思います。気に入りました。ただ、完成模型がないと現場には伝わりにくいので、作ってもらえませんか?」。ん?半月で?そんな‥‥!と拒否しようとしたが、建築士A君が「僕が作るよ。完成模型作るの好きなんだ」と言うので、引き受けた。

半月後、A君の完成模型が出来上がった。かなり大きなもので、天井を外すと、中には買い物をしている人形まで配置されていた。相当睡眠時間を削ったようだった。商品の陳列イメージまで手が回らなかったのを悔しがっていた。

僕は他の仕事があったので、ジャカルタまで僕の代わりの人間も含め3人で行ってもらうことになった。結果は、大好評だったらしい。みんな安心した。

が、その直後、ギャラの話があった時、こんな台詞に驚かされることになった。

「インドネシアの物価は日本の物価の10分の1なので、こちらの金銭感覚に合わせて欲しい」だって!「こちらの感覚で1000万円払います。それでいいですか?」だって!

仕事を持ってきた知り合いに相談すると、「やっぱり施工まで受けてもらって、工事費から抜いてもらう方が……」だって!現場の管理はどうすんだよ!現地に駐在するのかよ!などと憤慨していても仕方ないので100万円で手を打ち、渡航費等々の経費以外はすべて建築士A君に渡すことにした。

そして、その頃になってやっと気付いた。

ん?計画そのものが頓挫したのか?いいプランがあったら、それを持って行政に働きかけよう、という話だったのか?いずれにしろ、若干政治の匂いが漂ってくるぞ……。

あっさり忘れることにしてしばらくは、計画地も漠然と覚えているバリ島のDFSが気になっていた。が、オープンした形跡はなさそうだ。まあ、完全に騙されたわけではなかったことをよしとしよう、ということになった。

それから7~8年後に自ら命を絶ったA君が、取り戻した完成模型を事務所にずっと飾り、大切な作品だと言ってくれていたのがいい思い出として残っている。

Photo

安全だからとか、居心地がいいからとか……、そんな理由で何らかの庇護の下で仕事をすることを嫌っていると、騙されることも多いもの。だけど、楽しみも多い。大いに稼ぐことはできないけど……。ん?それは関係ないかな?

                 Kakky(柿本)

“1969年。僕たちの宵山 ―昭和少年漂流記第二章―”は、NO.28をもって終了しました

*”昭和少年漂流記第三章”を、書き始めています。が!書き直しの連続で進んでいません。6月上旬頃連載開始予定ですが……。

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