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行ってきました!同窓会‥‥島根県立益田高校 ⑤

ツルちゃんはその後、状況が悪化するばかりのSUZUYAに見切りをつけ、請われてレディス・メーカーに転職していった。しかし、“好きで夢中になれたファッションの世界”は、そこにもなかった。世はバブルに突入。ファッションは、虚構の“ブランド全盛”の時代へと猛進。青山にVANは既になく、SUZUYAも消えていきそうな頃だった。

遂にツルちゃんは、10数年身を置いたファッション業界そのものから足を洗うことにした。決断と行動の人は、さらりと東京を捨てた。その時、ツルちゃんが目指したのは、“暮らしの手触りのある世界”だったのだと思う。憧れていた世界への失望は、日々生活実感のある暮らしの大切さを思い起こさせてくれるものだ。

しかし、ツルちゃんの行動力と感性は、田舎での主婦業の枠に収まりきるものでもなかった。ツルちゃんはやがて、もっと大胆に回路を切り替える。

40才にして短大に入学。栄養士になる勉強から始めることにしたのだ。目指すは管理栄養士。2年の栄養士としての病院勤務を経て、国家試験に見事に合格する。

しかし、2年の現場経験で“数字本位で人間不在”になりがちな栄養士の世界への疑問も残った。人が生きることに深く関わっていくために選んだ栄養学であり栄養士だというのに、だ。

そこでツルちゃんは奮起した。アレルギーのある子供の食事に悩む母親たちの役に立ちたいと、論文の作成に取り組んだ。そして、「これまでで一番勉強したわよ~」という本人の言葉が表すほどの努力の結果、論文は完成。認められ、大学で講師を務めることとなった。

そしてさらに、本来の“暮らしの中で生かす栄養学”という目的へ。ツルちゃんは突き進む。

                     ‥‥つづく

60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)

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新年のご挨拶 & 行ってきました!同窓会‥‥島根県立益田高校 ④

明けましておめでとうございます!

本年も、よろしくお願いいたします!

新年早々、新たなことへのチャレンジや暮らし変えを図っているため、なかなか更新ができていません。落ち着いてきたら、何にトライしているのか、どんな暮らしへと変革しようとしているのか、ご報告させていただきます。

また、いくつかの途中になっているものに関しては、少しずつ書き足していくつもりです。お待ちください。

さて、昨年からの続きです。

昭和50年、僕がVANに入社した頃。北青山三丁目の交差点で、大きなビルの建築が始まった。僕は、VAN本社ビル5階のID(情報室)から、工事の進んでいく様を日々眺めていた。やがて、それがSUZUYA(鈴屋)の本社ビルであること、SUZUYAはレディスのナンバー1小売チェーンであることを先輩から教わった。

そして、次第にそのビルの巨大さが鮮明になってきた夏、いつものように窓外を見遣りながら、僕はふと、「これから青山は、SUZUYA TOWNになるんですねえ」と洩らした。‥‥本音だった。そして、横にいた先輩にひどく怒られた。

そのSUZUYAベルコモンズで、ツルちゃんがマーチャンダイザーとして働いていると知ったのは、それから約5年後、VANが倒産してしばらく経った頃だった。

マリちゃんと親友の彼女もまた明るく、行動力があり、キラリと光るセンスを感じさせた。そして何よりも、ファッションへの想いの強さとまっとうな価値観で、しっかりと仕事をこなしているエネルギーに溢れていた。チーフとして部下を軽やかにまとめ、多少の失敗も笑い飛ばしながら、成長から変化への端境期を迎えているSUZUYAを現場から支えているんだなあ、と僕は思っていた。

しかし、SUZUYAの端境期の乗り切り方は、どうも巧みなものではないようだった。ベルコモンズの売り場には微妙な荒れが見え始め、聞こえてくる噂も芳しいものではなかった。どうも「売らんかな!」になっているようだった。やがて、いつも前向きなツルちゃんにも、さすがに苛立ちが根ざしてしまったようだった。

ファッションは、売れても売れなくても“これがいいと信じるもの”を扱っている時は楽しいものだが、“売ることがすべて”となった時には、つまらないものである。モノとして扱い始めた時、ファッションビジネスは終わると言っても過言ではない。

ツルちゃんは、自らの行く末も含めて、心深く考えているようだった。それはしかし、たやすく答えの出せる問題ではない。おそらく彼女の中では、好きで身を投じ、10年近く積んできたキャリアを活かしたいという想いと、ファッションビジネスの現実にまみれて味わった失望や徒労感が、せめぎあっていたことだろう。

ただ、ツルちゃんは、自らの将来を自ら切り開いていく決断力と行動力のある人。生来の明るさを失うことのない人。そんな人に暗い未来が待っているはずがない‥‥。

そして、27年ぶりに会った同窓会の前夜、その後の彼女の見事な転進ぶりを知った。僕は「やっぱり!」とうれしくなり、「すごいなあ!」と感心させられた。誇らしかった。

                     ‥‥つづく

60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)

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