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脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥⑩

-初台リハビリテーション病院で出会った“リハビリの人たち”-

退院したNさんの訪問を受けている間、僕のリハビリは着実に進行していた。一人での車椅子移動にOKが出て、トイレに一人で行くことができるようになり、数歩程度のよちよち歩きもできるようになっていた。

お見舞いに訪れる友人たちに、「同情するなら、金をくれ~~」と動かない左手を差し出して笑いをとったり、「おや、幼児くらいまで成長したじゃない」とからかわれ、「これからは成長が早いよ。もう少し経つと、“ピカピカの一年生”じゃ~~。ランドセル買って~~」とおねだりしたりしていた。歩けることへの希望は、現実のものになりつつあった。

一方、Nさんの来訪は続いていた。Nさんに笑顔が絶えることはなかった。ぢかし、仕事について多くを語らなくなったことに、彼を取り巻く環境の厳しさが感じられた。どうも、支店長職を解かれることになるようだった。

病み上がりのせいだけとは言えないのかもしれない。適任ではなかったのかもしれない。ひょっとすると、売上げ低迷を打破するための組織改革の一環なのかもしれない。真相は、僕にはわからない。ただ、いかにも痛ましい。Nさんの真摯な努力と温かい家族を思い、僕は歯軋りをした。退院後2ヶ月で結果を問うのは、いくらなんでも早過ぎないか!

しかしそれでも、Nさんの訪問は続いた。僕が退院することを知った時は、奥さんもやって来られた。初台リハビリテーション病院入院後、体重が2キロも増え、「病院で太るなんてねえ」とKapparに呆れられていた僕にと、“ダイエット・レシピ”の本を退院祝いに差し出された。その屈託ない笑顔と茶目っ気に、僕は胸を撫で下ろした。そして、Kapparと「“オフィス・リストランテ”にご招待し、激励してあげようね」と話し合った。

翌春の好天の日曜日、食事会は実現できたが、それ以来、Nさん夫婦とはお会いすることができていない。2年半になる。時々思い出しては、ちょっと心配している。

                                 つづく

60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)

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