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脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥④

-初台リハビリテーション病院で出会った“リハビリの人たち”-

“寝言おじさん”は、リハビリに真剣ではなかった。僕が入院して2週間以上、リハビリルームに行くことさえ拒否し続けていた。やむをえずセラピストの人たちはベッドの上とベッドサイドでリハビリを行っていたが、車椅子への移動の要領を覚えることさえままならない状況だった。

前進しないリハビリに、家族のモチベーションのための努力は続いていた。いつも傍らで見守っている奥さんは優しく励まし続け、退院に備えて進んでいる改築のことや孫たちの近況を、写真を見せながら語った。息子さん二人は、病院の仕組みやリハビリに疑問を呈する父親に、自分たちがリハビリテーション病院をどれだけ探し、見学してきたかを熱く語り、“考えられる最善の環境”にあることを理解してもらおうとしていた。しかし、気のない返事や感情的な反論に、肩を落として帰って行くことが多かった。

珍しく明るい笑い声が洩れてきたのは、孫の訪問を受けた時だった。足の装具を孫に見せながら、「どうだ。おじいちゃん、これを着けて家の中を歩くんだぞ。ロボットみたいでカッコいいだろ~」と笑っている“寝言おじさん”の姿が垣間見えた。その時は僕も、“よかった~~。これで進展するかも‥”と胸を撫で下ろしたものだった。

ところが、それでもリハビリは進まない。他人事ながら、“回復期を過ぎてしまわなければいいが‥”と僕は気を揉んだが、ご本人は意外とお気楽で、リハビリ中はずっと冗談を口にし、後ろから支えられつつ立ち上がる時などは、大きな放屁一発。セラピストの笑いを取ったりしていた。

セラピストの人たちのモチベーション努力も辛抱強く続いていた。その押し付けがましくなく、淡々と明るく仕事をこなしていく姿に感心しながら、一方で僕は、“寝言おじさん”の心根を思い描いていた。ヒントは毎夜耳にする“大いなる寝言”にあった。

 ‥‥つづく

*先週の三連休明けに急にひどくなった左腰の痛みの原因は、やはり“オーバーユース”だったようだ。週に一度通院している成城リハビリテーションクリニックで、PTのIさん(AK法の熟練者)に診ていただいた結果、腰の関節に不具合が生じており、それは“頑張り過ぎ”とのことだった。指先で関節の調整をした後、Iさんは「三日間くらいおとなしくしててみてください」と笑った。

そして三日後。Iさんの予言どおり随分と楽になっていた。頑張り過ぎと調子に乗り過ぎは、やはり禁物だ。

60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)

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