« 脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥② | トップページ | 脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥④ »

脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥③

-初台リハビリテーション病院で出会った“リハビリの人たち”-

初めての夜、“昼夜逆転の体内時計”が少し狂ってくれたお陰で、10時を過ぎる頃には眠りに付いた。しかし、突然の大声に飛び起きた。と言っても、首を起こし廻らせただけだが‥。

「そこの若い奴!鏡の前に立て!」。その声は、はっきりとそう言っていた。空耳などではなかった。が、病室内は何事もなく静まり返っていた。“若い奴”を自分のことと思い飛び起きたことが可笑しく、布団をかぶって笑った。

しかしその声が同室の人から発せられたものだということが、3時間後にわかった。午前2時過ぎ、数分間の演説が聞こえてきたのだ。内容までは判然としないが、どうも何らかの研究発表のようだった。

翌朝、7時過ぎには、スタッフに起こされ車椅子への移動を手伝ってもらい、洗顔と着替えを済ませた。睡眠約2時間。さすがに目の奥には眠気が留まっていたが、新しい朝は爽やかだった。

車椅子を押してもらい食堂に着くと、隣のベッドのNさんが、隣席へと誘ってくれた。「おはようございます」と声を張って挨拶すると、Nさんの人懐っこい笑顔がいたずらっ子のそれに変わり、僕に近付いてきた。「よく眠れました?」。そう問われて僕は、正直に「いやあ、眠れなかったですねえ」と応えて笑った。

それから約2ヶ月、深夜の演説、独白、罵声は休みなく続いた。悪夢に苛まれた結果の、“大いなる寝言”のようだった。覚醒さえしていればさしたる問題のない人であり、日々朝から夕方まで付き添いにやってくる奥さんの同室者への平身低頭ぶりが痛々しいほどだったこともあって、苦情を言う気にはなれなかった。Nさんも、そう思っているようだった。

同病のよしみ、というものであろう。むしろ夜な夜な聞こえてくる寝言の内容に、70歳くらいと思しきその人の人生や病気がもたらした変化を想い、胸が痛むことさえあった。

睡眠不足を心配するKapparには、「初台サファリパークのナイトクルーズや~~」と笑い話にしていた。 ‥‥つづく

60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)

60sFACTORY活動日記は、こちら。

|

« 脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥② | トップページ | 脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥④ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/207308/31863610

この記事へのトラックバック一覧です: 脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥③:

« 脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥② | トップページ | 脳卒中それぞれ。リハビリそれぞれ。‥④ »