« 島根県益田市、故郷はどこへ?!‥① | トップページ | 島根県益田市、故郷はどこへ?!‥③ »

島根県益田市、故郷はどこへ?!‥②

都市型のホテルは、都市からやってくる観光客に評判がいいのは当然である。田舎を味わってもらおう、と不便まで強要されるのを多くの観光客は好まない。沖縄沿岸部でのリゾート開発の企画会議の時、海岸の景観を壊さないために、古民家の内部を近代的に改装することを提案したが、トイレをウォシュレットにすること、高速インターネットを使用可能にすること、洗面所を使いやすくすることを最低条件にしたことがあるくらいだ。

益田駅前のグリーンホテルモーリスは、明確なコンセプトをディテールまで具現化すべくきちんとプロデュースされて出来上がっていったものに違いない。意地悪な目線で細々と備品までチェックしてみたが、ほとんどが及第点以上と見た。なかなかのプロが携わった仕事だとお見受けした。

しかしホテルをから一歩外へ出ると、グランドデザインもなく使用価値への洞察もない、箱型開発発想に行き当たる。

民力、消費動向、競合環境、ライフスタイル動向、車と人の動線等を把握しつつ、テナントリーシング・プラのン立案と並行して、レイアウトや設備を考えた結果が、そこにあるとはとても思えなかった。それはまるで、これまでの公共事業投資の典型のようだった。

きれいな道路と郊外型路面店をつなぐ、“大きな点と線”を張り巡らす開発思想には、未来はない。明らかに予見できる高齢化社会に対応できるはずもない。

定額で乗り降り自由のノンステップ・ミニバスを縦横に走らせ、行政機関や病院を集積し、その周辺に憩いのある商店街が“横丁”単位で配されている。といった街創り発想を持って、1つずつ積み重ねていけば、こんなこともなかっただろうなあ、と改めて僕は、歯軋りした。

休耕田でもう一度稲作を開始するのが大変なように、消失した商店街と人が行き交う賑わいを取り戻すのは、至難の業だ。取り払うのはたやすいが、中身まで充実したものを作り上げるのは容易なことではない。必要なのは、ユニバーサリズム発想なのだ。

懐かしい人に会う喜びが、会った途端、その変わりように悲しみに変わっていくような、そんな気分を抱えて、僕は鎌手へと向かった。 ‥‥つづく

60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)

60sFACTORY活動日記は、こちら。

|

« 島根県益田市、故郷はどこへ?!‥① | トップページ | 島根県益田市、故郷はどこへ?!‥③ »

コメント

調べものしていたら、見覚えのある文字が入ったこのブログにヒット。。。。。

一週間前、帰省してきた私。
駅前ホテルの6Fの窓から感じたことが、全くこのこと!!
ほんとっ 悲しくなった。。。。。

あ~~私だけじゃないんだ・・・って!

この記事から5年経過しているのに、ずっと時間が止まったままみたいなわが故郷。。。。

ウン十年前のあの賑わった駅前・・・・どこ行った!

投稿: Masuko | 2014年11月11日 (火) 21時35分

Masukoさん

10月にも同窓会出席のために益田に帰ってきました。
同窓生たちは温かく迎えてくれましたが、街は寒々とした感じがしました。

人と人の温かい距離感がある街には、もう戻れないんでしょうか……。

投稿: Kakky | 2014年11月13日 (木) 18時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/207308/31464596

この記事へのトラックバック一覧です: 島根県益田市、故郷はどこへ?!‥②:

« 島根県益田市、故郷はどこへ?!‥① | トップページ | 島根県益田市、故郷はどこへ?!‥③ »