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CVS(コンビニエンスストア)物語④-救世主“コンビニ弁当”の登場!

個店販促の有効な方法論も見つからず、既存店の売上低迷に悩んでいたCVSチェーンに、救世主が現れた。‥“弁当”である。

それまでの、コンビニらしいチルドや冷凍を主体としたメニューに調理弁当を加えたところ、これがヒット。瞬く間に売上の核となっていった。コンビニ弁当が売れ始めた頃のランチ予算が平均6~800円程度(男女で違った)。昼休みに通える店もそう多くなく、同じ時間帯に集中しがちなため、ランチ難民になりがちだったサラリーマンとOLにとっても、5~600円台で温かく食べられ、購入に手間取らないコンビニ弁当は、お昼の救世主だった。

慢性化している競合状況もプラスに働いた。各社の、競合他社と差別化するための新商品開発が、日々弁当を必要とするユーザーの刺激策にもなっていたのだ。

しかし、いくつかの問題がやがて生じてくる。まず問題視されたのが、添加物。味覚障害を持つ人が増えたのはコンビニ弁当のせいだ、とまで言われたりした。ampmなどは、セブンイレブンに対抗し、冷凍にこだわった展開をして“私たちの弁当は、安全です”とアピールしていた。

ところが、もっと大きな問題が生じてきた。弁当専業各社の攻撃である。オリジン弁当などは、盛業のコンビニの近くに出店するということを明確に出店戦略の基本においていたくらいだ。

同じエリアの同じターゲットの同じニーズを奪い合うわけだから、売上は落ちていかざるを得ない。しかも、弁当専業店は、キッチン併設。味と鮮度では勝てない。おまけに、価格もコンビニを下回るゾーンで設定してある。とにかく、分が悪い。企業力で対抗せざるを得ない。タレント弁当、旬の素材(スーパー系だからお手の物)弁当など、話題性や新奇性で対抗する策が採られた。

何しろ、セブンイレブンなどは、売上において既に親会社イトーヨーカドーを抜き去り、ヨーカドー・グループを支える存在。ライセンシーとの不平等条約のおかげで、利益体質も揺るぎない(もっと凄いのは、楽天だが‥)。コンビニ・ビジネスがうまくいくかどうかは、グループ全体の財務体質に影響を及ぼす問題なのだ。

おまけに、力のあるライセンシーの反乱も起き始めた。力のあるライセンシーの力の根拠は、顧客サービス、顧客管理のノウハウと在庫管理、店頭管理の能力。要するに、しっかりとした“独立性を持った小売店”だから、本部と交渉する覚悟も力も持っている。明治維新から数年経ったの日本のようなものだ。不平等を改善しようと、自ら動き始めた。訴訟も起きた。結果は、本部の敗訴。*数年前、東北で起きていた‥はずである。

そこにやってきた金融恐慌である。ユーザーの弁当ニーズは、手作りへと大きく傾いていく。健全な傾向なのだが、コンビニ、特に本部にとっては不都合な傾向である。で、採ることになったのが、低価格化作戦。この価格だったら、わざわざ作る手間を省いて買った方がいいんじゃないですか?作戦である。

しかし、これは明らかな消耗戦。なぜなら、安くなったからといって、食べる量は増えないからである。売上増に大きく貢献できる作戦ではないのである。

さらに追い打ちをかけたのが、排除命令。不平等条約に支えられた本部の利益は大きく、その分ライセンシーが苦しんでいるわけだから、当然のことだと思うが、この一歩は大きい。

約50%のライセンス料を払っているのに、廃棄した弁当の仕入れ金額にもライセンス料がかかるとあっては、ライセンシーの負担は大きすぎる。

あちこちで起きている低価格合戦(余分なものとゴミが多いような気もするが‥)。この、世を挙げての消耗戦市場が落ち着いた時、コンビニの弁当市場とコンビニのあり方、つまりはコンビニ・チェーンのビジネス・モデルが、ライセンシーも一緒に幸せになれる方向に落ち着いていればいいなあ、と願うばかりである。

     元禄寿司は、ちょっと変わったフランチャイズチェーンだった。そのことを、次回に。

60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)

60sFACTORY活動日記は、こちら。

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