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脳出血。失ったもの、得たもの。

いつもより特別に多くもらったお小遣い、50円玉1枚を大切に握り締め、大切に握り締めたあまりに手の感触がなくなり、いつの間にか落としてしまっていたお祭りの夜。買えなかった夜店のおもちゃと引き換えに、大切なものを大切にし続けるためには適度な距離が必要だということを、僕は学んだ。…………はず…だった。

脳出血を発症、左半身不随の状態で初台リハビリテーション病院にリハビリのために転院した約2年前。忙しいリハビリ・スケジュールの合間、ベッドから窓外の空の色が変わっていくのを日々眺めながら、大切にしていたもののことを漠然と想っていた。モノは思い浮かぶことさえなかった。思い浮かぶのは、大切にしていたヒト達と共に過ごしたシーンばかり。ゆったりと過ごす時間が、大きく笑い合う時間が、お酒を酌み交わす時間が、そして、時には真剣な討議の時間が一瞬のシーンを切り取るように思い出され、どれもこれも懐かしかった。すべて失うか、関係の希薄になったシーンばかりに思えた。

そして、気付いた。大切なものの近くにいることばかりを想い、欲張り、手に溢れそうな状態だったことに。そのために、あくせくしていたことに……。小学校5年生の時に学んだことは、まったく身に付いていなかった。

それから、約2年。失ったと思ったものの多くは、元々得てさえいなかったのだということにやっと気付き、本当に穏やかな気持ちになることができたような気がする。

発症以来沸点の低くなった喜怒哀楽は相変わらずだが、それも穏やかさの証。これから考えていこうとしていることは、明らかに以前とは趣も異なってきている。ゆっくり、急がず、結果を追い求めず、支えてくれる人達への感謝を忘れることなく、考えていこうと思う。

……といった日々だなあ、と噛み締めていたある夜。確実に失ったもののあることが、突然判明した。それは、………僕の大切なプリン1個!

僕は、“尻自慢”だった。プリンとしたお尻を「ほら、ほら、触って~~~」と突き出し、追っかけては嫌われるほどだった。「かわいいプリンちゃん!とお呼び!」と要求し、呆れらりたりもしていた。

その大切な、自慢のプリンの左の1個が、どうも消滅してしまったようなのだ。左半身を使えないのだからやむをえないとはいえ、ガッカリ!である。

しかし、それも50円玉と教訓を引き換えにしたように、穏やかな時間との引き換えならいいとしよう、と思う。今度は、教訓を活かすことも忘れないように……。

60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)

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