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ポコペンの不思議!?ーつづき

Kakkyの昭和おもしろ事件簿④ー2

駄菓子屋の主役、“ポコペン”の不思議と悲しい結末。ーつづき

とにかく、モデルガンが欲しかった。五年生の時、日活映画を観て夢中になった「ピストルの早撃ちごっこ」。みんなが安物のオモチャを腰にぶら下げ、宍戸錠や二谷英明を気取っている時に、一人だけ持っていたモデルガンの鈍い輝きと重量感が、頭に焼き付いて離れなかった。それが、暗い駄菓子屋の店先で、「僕を早く連れて行ってよ~。このままじゃ、埃まみれだよ~~」と、声を掛けてくるのだ。

僕は、小遣いを貯め始めた。プラスチック製の、家の形をした貯金箱に毎日、生唾を飲み込みながら。もちろん、毎日駄菓子屋の店先を覗き込み、同じ場所に座り込んでいるモデルガンの存在を確かめるのは忘れなかった。

そして、遂に機は熟した。暗算どおりなら(といっても、簡単。小遣いは毎日10円と決まっていた)充分の金額になっているはずだった。興奮に震える指先で貯金箱の家を分解し、中の10円玉を両方のポケットに分けて入れ、僕は家を飛び出した。

「久しぶりだねえ」。駄菓子屋のおばあちゃんの笑顔に、「うん」とだけ応えて、僕は店先の平台のガラスの蓋の上に、じゃらじゃらと10円玉を出した。「全部、ポコペンね!」。「え!」小さく驚きの声を上げたおばあちゃんが、10円玉を数え始めると、僕は身構えた。「モデルガン、持って行かれると思って驚いたのかな~~?」と漠然と思い、少し勝ち誇った気分だった。

「本当に、全部いいんかね?」。未練がましいおばあちゃんを、「うん!」と力強く制し、僕はポコペンを親指で開け始めた。「全部開けてええよ~」。諦めたような、力のないおばあちゃんの声が追ってくる。構うものか!モデルガンは、僕の方が持つにふさわしいのだ!

1つ、2つ、3つ、4、5、6、7、8、9、10‥‥。小当たりには出くわすが、大当たりには、なかなか出会えない。ちらりとおばあちゃんの方を見ると、奥に入ってしまっているようで、姿がない。後5つくらいで息をつき、ゆっくりと開けることにした。さあ、そろそろだ。

‥‥‥。最後の一つを虚しく開け終わり、僕はたまらず、おばあちゃんに問い詰めるようににじり寄った。「大当たり、ないよ~~~!」。おばあちゃんは、奥から身を乗り出しながら、さらりと答えた。「それには入ってなかったんじゃねえ」。

僕は、その日限りでポコペンを止めた。

60sFACTORYプロデューサーKakky(柿本)

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コメント

 どーも、暇を持て余してますので、また、コメントです。すみません。
 
 ポコペン! 私はなんて言ってたか忘れましたが、夫はポツンコと言っております。驚かないで下さい(笑) まだ、そのころの小さな外れの景品?家に菓子箱一杯あります。少し前までモデルガンも3丁ありました。モデルガンはなんであるのだろう?と思ってましたが大当たりの景品だったのですね?明日、夫に聞いてみます。 なんでも取ってあるのです。夫は生まれも育ちも東京ですが{一銭店}によく行ってたそうです。 先日も「なんで、{一銭店}っていってたのか?」と話してました。「まだ、飴玉が50銭とかだったんじゃない?」と言ったのですが数字に少し疎くなってる夫は「わからないなー」と。  

 このような話、同年代の友達と話してもなかなか盛り上がりませんでした。  夫がこの記事を読んだらどんなに嬉しがるか、 と私まで嬉しくなりました。

投稿: mari | 2009年6月21日 (日) 20時49分

mariさん

ポコペンという呼称、自信はありませんよ。チロリン村とクルミの木に出ていた(?)腹ペコ熊さんの口癖「ペコポ~ン」と勘違いしているのかもしれません。
僕は、何でも保存が下手なので、懐かしのモノたちが回りにありません。ご主人に見せていただけると、頬がゆるみっぱなしになるかもしれませんね。
お元気になっていただき、実現してください。

投稿: Kakky | 2009年6月25日 (木) 07時19分

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