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リハビリというビジネスー②

リハビリのノウハウは、現場に集積されていく。言い換えれば、療法士の元で磨かれていくものである。それを組織のもの、すなわち経営のノウハウと連動させていく、というのはなかなか難しいことである。それはまるで、商社においては商権が商社マンの手元にあることが多く、広告代理店においてはクライアントの信頼が一人のAEやクリエイターに集中するのに似ている。信頼やノウハウ、さらに言えば情報も、人に向かって集まることが多い。当然、優秀な人にはより多く集まるものである。優秀な人材を集め、そこに集積されていくノウハウや情報を組織のもの、すなわち企業の資産へと転換していく、その方法論とノウハウがビジネスを生み出す。リハビリの世界において、初台リハビリテーション病院は、より高度なリハビリの提供と経営の両立を、どのようなビジネスモデルを構築することで実現しているのであろうか?儲けてはいけないかのような風潮があり、他方ではリハビリに携わる人たちの待遇が恵まれていないことを問題視し、また一方では危機的状況にある保険制度が取り沙汰されるという、リハビリを取り巻く環境の複雑さを切り開くのは、新しいビジネスモデルであろう。そう思っていた。

初台リハビリテーション病院を下見し、いろいろヒヤリングしてきたKapparの話を聞いて印象に残ったのは、「理学療法、作業療法、言語療法など専門の療法士がチームで対応してくれるんだって」という言葉だった。縦割りで起きる問題を排除しつつ、一人ひとりの患者に総合的に対応していこう、という言わば“チーム医療”のようなリハビリ体制だと思えたからだった。

入院初日、病院の、リハビリのための施設として配慮が行き届いた環境、迎えてくれた、チームのスーパーバイザーかと思ったスタッフの対応、病室のレイアウト、等々、期待は高まるばかりだった。

弱い立場になると、期待は過剰になりすぎるものであり、落胆は必要以上に深くなりがちなものである。それは自制しなくてはならない。そう思っていたところ、それは最初の診察で、しっかりと言われることとなった。

「余談」

*昨年は、近い人が合計三人、癌の手術を受けた。一人は、回復。一人は、未だ入院中。そして、一人は‥‥。ということになった。語るべき言葉もない。ただ、脳卒中に倒れた時に、いろいろ思ったことの一端を披瀝しておきたいと思う。

本来、存在というものは不確かなものだと思う。

高校三年の時、哲学を中途半端に齧った友人が、「お前たちに見えているものだって、俺には見えないと信じ込んでしまえば、俺にとっては、存在しないんだ」と、放課後の掃除の時間に言い始め、しばらく付き合った僕も、ついには「いいから、いいから。早く机を移動させて!」と投げ出したことがあるが、ストレッチャーの上で、ふとそのことを思い出したりしていた。五感なんて脳の作業。脳細胞を損傷すると、他人には存在するものも僕にとっては存在しなくなる、なんてこともあるんだなあ。と、哲学半可通友人のかつての言葉を改めて噛み締めていたのだ。

人やモノを愛するということは、その存在そのものを慈しむことだと、僕は思う。与えられるコトやモノに置き換えることができるものではない。

だから、人は人に触れたがるのだと、僕は思っている。五感の中で、存在を最も実感できるのは、触感だからである。暗闇でも、ひどい臭気に溢れた場所でも、温かい人の肌に触れると、きっと安心できるはずだ。ハグをする。鼻先と鼻先をこすりあう。初めて会った者同士が握手する。ETは。指先をちょんとつき合わせる‥‥。すべてそうやって、存在の確認をし、慈しみあう関係になれるかどうかの確認作業を開始する(つまり付き合いを始める)のである。手も握る勇気がない、というのは、存在の確認を始めることに対する怯え、つまり自信のなさかもしれない。

存在がなくなってしまう。ということは、本来不確かな存在というものの確認作業ができなくなっただけ。存在は、基本的にはそれぞれの心の作業よって存在する固有のもの。簡単に消滅もするが、不滅のものでもある。残った者の心の持ちようなのだ。

Skillは引き継がれていく。しかし、Willは、連鎖はするものの、継がれていくものではない。

60sFACTORYプロデューサーKAKKY(柿本)

60sFACTORY活動日記は、こちら。

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