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リハビリというビジネスー③

「チームで対応します」という初台リハビリテーション病院のリハビリ体制は、しかし、発展途上のものに思えた。

患者一人ひとりに理学療法士、作業療法士、言語療法士の担当がつき、さらに、看護士、ケースワーカーなど、必要と思われるフォローをするスタッフも決まる。その全員と顔を合わせ、状態のチェックを受け、「私たちが、チームで対応します」と紹介されて始まったリハビリ入院生活だったが、三日目には、担当のセラピストの一人がお休みで、「替わりに、○○が担当させていただきま~す」と現れ、その状態が数日続いた。リハビリの指導を受けつつ、チームとしてのコミュニケーションはどのように取られ、僕に対する指導法や判断の共有はどの程度行われているのか、読み取ろうとするのだが、何も伝わってこない。結局、退院に至るまで、チームとしての姿は見えてこなかった。

療法士の担当が決まっているだけでは、本来はチームではない。お互いが一人一人の患者を巡って情報交換を行い、今に対応するだけではなく、先を考えていくべきである。お休みを取ることに対しては、患者は納得している。問題は、継続的に何を目指し、何をチェックし続けるか、そのために、スタッフが替わろうとも、患者を巡る情報は的確に伝えられていくこと。それが、チーム制の基本だと思われる。

療法士の数不足、リハビリの歴史が浅いことに由来するスキル・知識の標準化の難しさ、ハードな現場、それに対して増え続けるリハビリ・ニーズ。‥‥。それは、医療とは異なる事情を数多く含むものであるがゆえに、医者を頂点とするチーム、という考え方では対処できないのかもしれない。しかも、療法士の数とスキルの向上は、彼らを取り巻く労働環境の改善無くしてありえない。

リハビリというビジネス。そのあり方とノウハウの蓄積が問われる所以である。

患者との接点が現場のリハビリ。療法士と患者との接点から、学べるケースでは徹底的に学ぶ必要があるだろう。医者も療法士も、患者にはなれないのだから。そのためには、「診てやる」という一方的な姿勢になりがちな医療の考えを、インタラクティブなコミュニケーションを基本とする考えに、まず切り替えていくべきであろう。患者は、情報の宝庫だと考えなければ、そして、ノウハウの蓄積は情報収集から始まると認識しなければ、リハビリというものを、患者と一緒に変化させていくことはできない。そして、患者と一緒に変化させていくことが、ビジネスとしての側面に対する理解を深めていくことにつながるはずなのである。

そんな、強く熱い意志は、初台リハビリテーション病院で患者をしている間は、あまり感じられなかった。一番残念だったことである。

WillなくしてSkillは身に付かず、Skillなくして、Willは成就できない。

少し、現実というものに流され始めているのかなあ。

*次回より、“昭和の家族”再開!

60sFACTORYプロデューサーKAKKY(柿本)

60sFACTORY活動日記は、こちら。

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