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脳出血男、Kouraになる!

MRIフィルムに白くくっきりと映し出された直径4センチの脳内出血痕は、その鮮明さゆえか、自分の中で起きていることとは思えなかった。「ほう~」と感心しながら写真に見入り、「左半身が動かなくなりますからね」という説明に、「動くもんね~~」と左手足を派手に動かしてみせたりしていた僕も、ピタリと動かなくなってしまうと、さすがに少し神妙になった。「どうですか?」と現れた主治医が「ほら、動かなくなったでしょう」と、若干誇らしげに確認した時は、「さすが!先生。的中!まるで専門のお医者さんみたい~」と強がって見せたものの、「頭は大丈夫みたいですね」と一蹴され、さっさと病室に運び込まれてしまった。

少しの間眠りについて、背中をトンと押されたような感覚で目覚めた。事態を素早く追認した。「大変だ!」と、初めて思った。目を覚まさなければよかったのに、と本気で思った。すぐに暗算をした。自分の事務所の今後の入金予定、支払い予定、これから必要になると想定される費用など、要するに、お金の計算である。

僕の仕事は、受注仕事。相談し、利用していただき、お役に立ってギャラをいただく、「よろず相談所」のようなもの。ゆとりがあるわけではない。おまけに、僕に貯蓄性向はないに等しい。金銭的体力は、すぐに尽きてしまう。なんとか入院費としばしのリハビリ生活は工面できたとしても、それから先の暮らしが描けない。寝たきりになるのだろうか?そんな奴に相談なんかしたくないよなあ~。収入途切れるなあ。事務所の維持は、どうしよう~。毎日誰かが訪ねてきていたけど、静かになるんだろうなあ。‥‥。パラパラパラパラ、次々に苦しい半年後ばかりが浮かんでくる。申し訳ないと思いつつ、一つひとつを抱え切れなくて、ずっと付き添っていてくれたKapparに、その一部をぽつりぽつりと吐露した。

捨てる神あれば、拾うKapparあり!困った時のKappar頼み。神様、仏様、Kappar様。Kapparは、とんと胸を叩き、「命が助かったんだから、今は余計なこと考えないの!大丈夫!任せなさい!男一人くらい!」と微笑んでくれたのだった。そして、「大丈夫?」と心配する僕に、「倍働けばいいんでしょ!」と、また微笑んだ。

その瞬間、僕はKouraになった。大きく重いKouraである。Kapparの怒涛の一年の始まりである。

60sFACTORYプロデューサーKAKKY(柿本)

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