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消えていく?!昭和の家族。

約一週間前、10数年ぶりに会うことになった女性の紹介を兼ねて打ち合わせをした時のことである。一通り打ち合わせが終わり、雑談になった。

参加していたヒヨコに、女性が尋ねた。「彼氏は、いてはるんでしょ?」。ヒヨコは、いつもの調子で応えた。「いえいえ。それがいないんですよ~~。何とかなりませんか~?」。「まあ、きれいな人やのに、なんで?紹介しようか?」。

久しぶりに会った彼女は大阪出身の50代。なかなかの美人で女丈夫。ご主人と10数年前に上京し、様々な事業を展開している。若くして一回目の結婚をし失敗したが、二人の男の子を立派に育て上げている。

「是非!お願いします!」。「どんなんがええの?なんぼでもおんで~。あんたやったら、選び放題やわ~」。「いやあ、でも年が‥‥」。「え?!若う見えるけど‥‥。いくつやの?」。すっかり打ち解けている。大阪の女性の特徴だ。「先日、四十に‥‥」。「なんや、びっくりしたわ。若いやないの~。女の華は、40代よ」。「ほんとですか~?」。「うん。ほんと、ほんと」と僕。「でも、そろそろ子どもが‥‥」。「高齢出産?何言うてんの?まだまだ、そんな、焦ることないて。もっと年いってから産んではる人い~っぱい、いてはるやん」。と、そこで彼女、ふと表情が変わった。

「子どもなんか、産まん方がええよ。な~んもええことあれへんよ。なあ」。眉をしかめながら、僕を見る。僕は、「う、うん。そうかもね~」。と曖昧に応えて、彼女の話の続きを待つ。何かあったのだろう。ちょっと話に勢いがついている。「大事に、大事に、お金も愛情もいっぱいかけて育てて、大人になったらなったで、困った時に頼ってくるだけやからなあ」。大きな嘆息を洩らした。僕は、よく通っていたタバコ屋のお婆ちゃんがまったく同じ台詞を吐いていたのを思い出していた。

「大学にも行かせて、海外旅行にも行かせてあげたんよ。どうしても、勉強のために行きたいって言うから。でなあ、家にいる時は私らに全部頼ってて、出てしもうたら、あんた、来ることもないからねえ。来たって、うれしいことなんか何もないしねえ」。お婆ちゃんが愚痴を洩らすその脇で、85歳になるお爺ちゃんは、深く頷いていた。お爺ちゃんは、一言「来てくれんでええわ」と言っただけだったが、最近何事かがあったことを窺わせるには充分な一言だった。

「夢を見させてくださいよ~」。これから彼氏を紹介してもらおうというヒヨコの目が、少し泳いだ。「先輩の言うことやから聞いといた方がええよ~。絶対産まん方がええて。ほんま、な~んもええことないよ~」。「そ、そうですか~?」ヒヨコは、ちょっと俯いた。

僕は、その後考え込んだ。彼女の言うこと、わからなくもないからである。昭和の家族は、もはや消滅し、家族そのものが幻想と化しているのだろうか?大きなテーマが残った。小学生から中学生にかけて見たり聞いたりした「昭和の家族」を思い出してみようと思った。

60sFACTORYプロデューサーKAKKY(柿本)

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コメント

先日の打ち合わせが、リアルに再現され驚いております。
えーえー、まだまだ夢を見たい乙女40歳です。
私は本気で紹介を待っております。
Kakkyさんがおっしゃる通り、とても綺麗で気持ちのいい女性ですね。
彼女のような年の取り方が出来たらいいなと、楽しい気持ちになりました。
ホントKakkyさんは女性の見る目は確かですよね…。

投稿: ヒヨコ | 2007年11月24日 (土) 12時03分

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