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一つ前の誕生日

「二つの誕生日」のお話の次は、「一つ前の誕生日」つまり昨年の誕生日のお話。もちろん、私事であります。

2006年10月24日、僕は、東京都渋谷区の初台リハビリテーション病院で、57回目の誕生日を迎えた。東邦大学大橋病院から転院してちょうど3週間、サポートしてもらって少し歩ける程度、車椅子での自由な院内移動を許可されて間もない頃のことだった。病院でのお祝いをセッティングしてくれたのは、Kappare-pooh、Kenちゃん、そして、ちわわん。初台リハビリテーション病院の食事はよくできた食事で、和・洋から選べる(1週間ほど前に来るメニューで選択)上に、目にもおいしく出来上がっている。食器が陶器なのもうれしい。おまけに、外来者も予約さえしておけば、同じ食事を一緒に摂ることができる。彼らは、この仕組みを活用し、病院にお願いして新宿の夜景の見える共用スペースにテーブルをセッティングしてもらい、そこに合計5人前の同じメニューを運んでのお誕生会となったのだ。

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車椅子を足でこぎ、あるいは押してもらいながら、いつもの食堂スペースを通り過ぎ、五つの椅子が並んでいるテーブルに着くと、そこは温かい空気に覆われてているようだった。その空気の中にすっぽりと身を置いて、スポーツ選手並みのリハビリのスケジュールや病を得て気付いた身体の不思議などを笑い話にしていると、「元に戻れるとは思わないでください」と入院時に医者に釘を刺されたことも忘れ、いつか彼らとまた飲んで歌っている自分の姿が浮かんだ。

毎年事務所で開いていた「KAKKYのお誕生日すき焼き宴会」は、さすがに中止。30~50人くらい来てくれていた友人・知人の顔を見ることもできない、その寂しさを補って余りある4人の優しい気遣いに、気を許すと落涙してしまいそうで、「しっかり食べないと‥‥」「相変わらず、食べるの遅いねえ」などと言われながら、僕は喋り続けた。

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しかし、動かない左手をテーブルに引き上げ、燃え盛っているHAPPYBIRTHDAYの英文字ローソク13本を吹き消して、みんなの「おめでとう!」の声を聞いた途端、我慢できなくなった。なんとか、その時は鼻水を拭くだけで済んだが、むしろ今になってうれしさが募る(本来縁のない鬱の影が忍び寄ると思い出す。影は消える)。

過去最高の誕生日だった。

*闘病、リハビリ(今も続いている)に関するブログ、近日スタート!興味のある方、不安を抱えている方は、ご覧ください。ここで、お知らせします。

60sFACTORYプロデューサーKAKKY(柿本)

60sFACTORY活動日記は、こちら。

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