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そして、VANのスピリットが残った

どこで歯車が狂ったのだろうか?僕が入社する数年前に起きたはずの小さな歯車の狂いは、年々増幅されていき、僕が入社した頃には大きな歯車の動きにも影響を与えるようになっていた。一見活力に溢れ、明るいざわめきに満たされているように思われるVAN 社内にも、形にならない不気味な影が忍び寄っているようだった。でも、そこはかとなく不安を感じながらも、僕たちはVANの底力をどこかで信じていた。要するに「まさか!」と思っていたのだ。百貨店や月販店に派遣されたまま倒産を迎えることになるかもしれない多くの同期の社員に対する内勤社員としての申し訳ない気持ちと責任感に、僕は追い立てられるような気分だった。

そして、じたばたしている間に、VANは急坂を転げ落ちるように倒産へと向かっていった。当然、僕の足掻きなどなんの足しになるはずもなかった。日々起きる些細なことや重大な事件に向き合っている間に、ふと倒産は訪れた。大雨の翌日、1978年4月6日、からりと晴れた春の日のことだった。

あれだけの底力があったVANの倒産。負債も歴代二番目の多額で、優に400億円を超えていたというのに、急ごしらえの広報の部屋に訪れる各誌・紙の記者は、家庭部か文化部。経済部の記者が訪れることは一度もなかった。しかし、それこそVANという会社とその事業が持っていたユニークネスだと僕は思った。「惜しい!」。心底そう思った。そして、小さくてもいいから、VANがやりおおせたようなことができればいいな、と思った。僕の中には、VANのスピリットが確実に残ったようだった。

                        60sFACTORY プロデューサー Kakky(カッキー)

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