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BDシャツとの出会い、テレビが家にやってきた!①

BDシャツとの出会い

今はボタンダウンシャツを愛用している僕だが、ボタンダウンシャツをはっきりと意識するようになったのは、VANに入社してからのことだった。僕は、ボタンダウンシャツという言葉さえ知らなかったのだ。VAN入社後間もなく、「新入社員も参加しな」といわれて参加した会議のテーマが、「ボタンダウンシャツは、もう売れないか?」というものだった。4月中旬、まさにピカピカの新入社員の頃のことだった。会議室正面のホワイトボードに書かれている議題を見て、僕は内心首をひねった。ボタンダウン?ん?ボタンが垂れてるのか?じゃ、不良品ではないか!売れないか?ではないだろう!売ってはいけないだろう!正直、そう思ったのだった。しかし、それから約一時間、何かが違うと察知した僕は、一言も発することなく聞き耳を立てているばかり。それでも、隠語だらけの世界に身を投じた感覚。理解するには程遠かった。その一週間後、「アイビーは終わりか?」という会議に出席させられた時も、「植木の話?」とまず思った僕は、最後まであいまいな笑顔と反応で過ごした。ボタンダウンシャツ、アイビー。この二つのアメカジを象徴する言葉との出会い。そこから、すべてが始まった。きわめて遅いスタートだった。

テレビが家にやってきた。①

中学一年の夏休み。僕は、すばらしい文明の利器に初めて触れた。テープレコーダーだった。クリームとエンジのツートンカラーのそれは、なかなかの重量だった。友人から使い方を徹底的に教わり、借りて帰った僕は、すぐには触れず、使い方を反復しながら膝に抱えるようにしていた。遂に録音してみることにした時、お袋が買い物から帰宅。表の部屋に移動した。次は親父が帰ってくる。急がねばとあせり、慌てて一言吹き込んだ。すぐに巻き戻し、聴いてみた。初めて耳にする僕の声だった。「○○××」。人名だった。苗字が僕。名前が初恋の人。妙に上ずった聴きなれない声に乗せられたその名前に、僕はみるみる赤面していくのがわかった。すぐに巻き戻し、どうすれば痕跡を掻き消すことができるか、と考えた。そして、音を立てずに、再度録音するという方法を思いついた。なんとかテープレコーダーを机の上に片付けた頃、親父が帰ってきた。そして、また小さな議論が始まった。「テレビは買うべきか、買わざるべきか」何度も繰り返された議論だった。

小学校5年生の時初めて観たテレビに、そんなに僕は驚かなかった。高いアンテナを立てた高台のお金持ちの家に友達グループで行って縁側に陣取り、開けてもらった障子から遠くに望むテレビは、僕の大好きな映画に比べて迫力不足だった。受信できるのはNHKのみ。観るといえば、相撲か夕方のドラマ(不思議な少年、ポンポン大将などだったか?)に、みんなの歌。興奮するほどのものでもない。しかし、民放が入る家で見せてもらったテレビに、僕は一気に引き込まれた。プロレスと「とんま天狗」に魅了されたのだ。テレビは僕の家に来るのだろうか?来て欲しい!それからずっと念じ続けてきたことだ。両親の論議に望ましい結論が早く出ることを願ってやまなかった。

                                 60sFACTORY プロデューサー Kakky(カッキー)

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